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インタビュー

「全ての時間をお笑いに使いたい」ギャップに悩む若手芸人を支えたのは、過去の自分だった。

「全ての時間をお笑いに使いたい」ギャップに悩む若手芸人を支えたのは、過去の自分だった。

”何歳でも挑戦はできる”とは言うけれど、実際に行動に移すのはかなり勇気が必要。お笑いコンビ『コロウカン』の永江ヒデトさんも、その中で悩むひとりでした。高校を出て養成所に入ることも珍しくない中、彼がこの世界に飛び込んだのは25歳。介護福祉士の顔ももつ彼の原点とこれまでの道のりを伺いました。

永江ヒデトさん(29歳)

鹿児島県枕崎市出身。よしもと所属のお笑いコンビ『コロウカン』として活動しながら、夜勤専門の介護福祉士として勤務。
Twitter:@nagaga8
Instagram:@koro_nagae

お笑いのきっかけは、舐められない為に繰り出した起死回生の一発。

–お笑いのルーツは小学3年生と伺いましたが、学生時代はどんなキャラクターだったのですか?

元々ひょうきんな子どもだったって親からは聞いているんですけど、小学校3年生で転校した途端、緊張していたのか全然しゃべらなくなっちゃって…。そのまま友達もできず、ジャングルジムに登りひとりで遊ぶ日々を過ごしていました。

それで、ある日クラスのボスに校舎裏へ呼び出され、3人くらいに囲まれて「あぁ、とうとうイジメられるのか」と。

–絶対絶命のピンチですね…。

そしたら急に「お前ゴリラのマネできんのか?」って言われて。一瞬なに言ってんのか分からなかったんですけど、かましてやろうと意気込んでいたので、思いっきりゴリラのモノマネをしたんです。それが信じられないくらいウケて(笑)

今度はボスが「オレはロボットのマネができるぞ」ってモノマネバトルに発展した後、「コイツおもしろいぞ!」ってクラスのみんなに紹介してくれてたんです。「そうか、人を笑わせると友達ができるんだ」と気付いてから、”笑い”ってすごいかもと思うようになりました。

いつかいつかを乗り越えて。少しの遠回りの後、覚悟を決めた。

–友達づくりのきっかけがお笑いだったんですね。では、そこからはお笑いの道を一直線に?

いえ、クラスでさんざんアホなことやったり、中学の文化祭で同級生と漫才をやったりしましたけど、その後は福祉の高校へ進学しました。

–えっ、もともと福祉に興味があったんですか?

それが全然なかったんです…(笑)友達が福祉の高校に行くって言うから、じゃあそっち行っちゃお、くらいの軽いノリでしたね。卒業後は、父親が小さい頃から「東京はいいぞ」と話をしていたので、鹿児島から上京して成田空港で働くことにしました。

4年くらい働いた後、愛知の自動車工場で働いたり、地元に帰って仕事したりと色んなことをやってみたんです。だけど、やっぱり心のどこかでお笑いをやりたいって気持ちがあって。25歳の時、正社員で働きながら同級生とフリーの芸人として活動をはじめたんです。だんだんとラジオやテレビに出演する機会も増えていき、「東京で勝負しよう」と再び鹿児島から上京しました。

踏み切った東京進出と思わぬタイミングで活きた過去の資格。

–紆余曲折があったのですね。どのような形でいまの介護の仕事と出会ったのでしょう。

コンビで上京して、お互いお金を出し合いルームシェアをしていたんです。でも、しばらくしたら相方が家庭の事情で地元に帰ってしまい、ひとりで家賃を払わないといけなくなって…。それまでバーや配達のアルバイトをしていたのですが、全然足りず新しく時給のいい仕事を探したのがきっかけです。

色んな求人サイトを見ていたら、「あれ、資格を持っていると介護の仕事ってこんなに時給高いんだ。そういえば高校で資格取ったぞ」と思い出しました。それで偶然気になった案件を扱っていたのが、いま登録しているブレイブでした。

–まさか過去の資格がここで活きるとは…!仕事を始めるにあたって他に見ていたポイントは?

ほんとに学生時代に取っておいてよかったと思いました。やっぱり芸人の活動が一番なので、芸人の仕事の間でできる融通が利くもの、昼間はオーディションが入る可能性もあるので日勤以外、などを条件として挙げました。その後、担当の方と「ロング夜勤は疲れてしまうからショート夜勤でお願いしたい」と相談をした結果、いまの介護施設を紹介してもらいました。

あとは、自分の中で”芸人で稼ぎたい”って気持ちがあるので、介護の仕事ではギリギリ生活ができる範囲の収入しか稼がないようにしています。それ以外の時間は、全て芸に費やしたいんです。だから、だいたい月8日~10日くらいを目安に働いています。

応援してくれる施設のためにも、賞レースで結果を出したい。

–介護の仕事をはじめて、生活の変化はありましたか?また、この仕事を続けられている理由は?

時給が高いことや融通が利くこともあり、ネタを考えられる時間と先輩と一緒に過ごして勉強できる時間が増えました。他には介護の仕事だと利用者さまから大正時代や昭和初期の話を聞けたり、業務中に起きた珍エピソードと合わせて書き留めておいて、ネタの参考なんかにもしていますね。

続けられているのは、居心地が良いからかな。利用者さんも職員も、僕がお笑い芸人をやっているのを知っていて、施設長も「ライブのポスター貼っていいよ」と言ってくれるんです。みんなが応援してくれるから、その分頑張りたいっていうのはあります。

–職場からの応援があるのは心強いですね!これからの目標などはありますか?

今年中に全国ネットのテレビに出ることと、4月からYoutubeチャンネル(コロウカンChannel)をはじめたので登録者を増やしたいです。

今回の協力先

株式会社ブレイブ(マイナビグループ)

経験や希望に合わせたお仕事探しをサポート。看護師・介護士・保育士・薬剤師・コールセンター・事務など、これまで積み重ねてきたキャリアを活かした柔軟な働き方をご提案します。


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