コロナの影響で、突然収入ゼロ。 キャバクラから製造業界へ転身 して出会えた、知らない自分。
コロナの影響で、突然収入ゼロ。キャバクラから製造業界へ転身して出会えた、知らない自分。
ツチモチさん(24歳)
大学中退後、居酒屋、アパレル、キャバクラでのアルバイトを経て、現在は大手電機メーカーにてサーボモータ部品の検査業務を担当。
居酒屋、アパレル、キャバクラ。人に喜ばれる仕事が好きだった。
–これまでどのようなお仕事をされてきたのか、教えてください。
居酒屋のホール、アパレルの販売、キャバクラのキャストなど様々なアルバイトをしてきました。業界はバラバラですが、目の前のお客様に喜んでもらえる接客の仕事が好きでした。
それぞれ1~3年で職場を変えることが多かったのですが、一番長く続いていたのはキャバクラ。当時は、月50万円ほどの収入があり、ブランド品を買ったり旅行したりと、結構派手な生活をしていました。
–月50万円…!その分、お仕事も大変そうです。
そうですね、お給料が歩合制だったこともあり、月の収入は自分次第。自分で売上をつくらないと、お給料がガクンと下がる環境に、毎日プレッシャーを感じていました。
コロナで休業、ほぼ収入ゼロに。何でもいいから働きたかった。
–そんな生活の中で、転職を考えたきっかけは?
コロナの影響で、お店が休業してしまったことがきっかけです。しばらくはお休み期間だと思って、何もしていなかったのですが、いつお店が再開できるか見通しが立たない状況が続きました。だんだんと不安が大きくなり、どこでもいいから働かなくちゃ、という焦りから仕事を探しはじめました。
そんなとき、知り合いに紹介されたのが、今も所属している派遣会社のエイジェックです。
–エイジェックは、製造派遣のお仕事が中心ですが、ものづくりに興味はあったのでしょうか?
いえ、全然ありませんでした(笑)。知人が紹介してくれたから、とりあえず話だけでも聞いてみようかなという程度で、内心「すぐ辞めちゃうかも」と思っていました。
面談では、大手電機メーカーでサーボモータ内の部品検査をする仕事を紹介してもらいました。それから2週間後には働きはじめることができたのですが、実際に現場へいってみると、私がイメージしていた製造の世界とは全く別のものだったんです。
製造って「工場で汗をかいて力仕事をする」イメージが強かったんですけど、私の職場は、普通のオフィスビルのような雰囲気で、「こんなにキレイなんだ」とびっくりしたのを覚えています。
無縁だった製造の世界。こんなにハマるなんて私が一番驚いている。
–「とりあえず」ではじめた製造のお仕事を、今でも続けられている理由はなんでしょう?
大きく3つ理由があって、1つ目は安定したお給料。それまでは歩合制で働いていたので、常に頭の中で「今月大丈夫かな」と、お金の不安が付きまとっている状態でした。今は毎月決まった金額のお給料をもらえているので、気持ちに余裕ができています。
2つ目は、人間関係の悩みが減ったことです。キャバクラで働いていた時は、女の子の人数も多くて人間関係で悩むことが頻繁にありました。今は少人数チームのほどよい距離感で、本当にストレスなく働けています。また勤務初日にエイジェックの担当者さんが会いに来てくれたりと、何かあれば相談できる環境があるのも安心できました。
最後は自分でも驚いているんですけど、製造の仕事が面白くなってきたことです。私が担当しているのは、速度等の制御で使われるサーボモータの部品検査。普段は誰にも見られない部品だけど、私たちのあらゆる生活を支える上で、絶対必要なパーツなんです。
今まで気にしたこともなかったこの小さな部品をつくるために、こんなにたくさんの人が関わっているんだと知って、ちょっと感動しちゃったんです。もしかすると、これってすごい大事な仕事なんじゃないかな、と思うようになりました。
–思ってもみなかった製造のお仕事の魅力を発見したんですね。周りの反応はどうでしたか?
両親や友人も、こんなに続くと思っていなかったみたいで驚いていました(笑)。特に両親は、ずっと心配してくれていたので、安定した仕事に就けたことをすごく喜んでくれています。
サービス業をしている友人にも、「意外と楽しいからやってみなよ!」ってオススメすることも多いです。先入観を持たずに1回飛び込んでみれば、私みたいにハマる人もいるんじゃないかな、と思います。
誰かと競争も比較もしない。自分のやりたいことが見えてきた。
–転職して、気持ちの変化などはありましたか?
仕事も収入も安定してきて、ようやく自分って何が好きだったんだっけ?というのを考えられるようになった気がします。以前は、ある意味競争社会だったこともあり、周りの女の子とお給料や持っているバッグのブランドなど無意識に比較ばかりしていました。転職した今は、誰とも比べずに自分の気持ちに向き合えていると思います。
もともと音大でミュージカルやダンスを専攻していたんですけど、途中で諦めて中退しちゃったんです。でも最近になって、やっぱりもう1度挑戦してみたいなって気持ちが強くなってきました。まずは趣味からでもいいので、ダンスをはじめようと思っています。
–お仕事で、これからの目標はありますか?
資格を取って、もっと幅広い仕事に挑戦したいです。今の職場では、資格を持っていないとできない業務がたくさんあるので、まずはハンダ付けの資格を取れるよう勉強しています。
それと実は、今度正社員登用の面談があって、それをクリアすれば、はじめての正社員デビューなんです。まだまだ知らないことの多い製造の世界で、色んな知識や技術を吸収していけたらいいな、と思っています。