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インタビュー

16歳で高校中退。回り道を繰り返した彼女が、大手企業から必要とされる存在になるまで。

16歳で高校中退。回り道を繰り返した彼女が、大手企業から必要とされる存在になるまで。

「地元では、いわゆるヤンキーだった」多数のオフィスが入る高層ビルで、少し恥ずかしそうに笑うYさん。高校を中退した彼女が、大手企業から「戻ってきてほしい」と言われるほど成長した秘訣。それは、根本にあるとてもシンプルな考え方でした。

Yさん

高校中退後、北海道から東京へ上京。パソコンスキルゼロのまま根拠のない自信だけを頼りにオフィスワークへ飛び込む。現在はWeb系の大手企業でデータ分析を担当。1児の母。

校則にムカついて高校中退。とにかく遊び尽くした無敵の10代。

–かなり派手な画像が目に入りましたが、どんな学生時代だったのでしょう。

当時、北海道に住んでいたのですが、通っていた高校の校則がすごく厳しかったんです。オシャレもできないし、やたら縛ってくるし。そういうので学校がつまんなくなって16歳で辞めちゃったんです。

それからは今までの反動じゃないけど、やりたいことやって遊びまくりました。「もう縛るものはないし、自由だ!」って無敵感もあり、好き勝手に遊んで遊んで、遊び尽くしたって感じでした。

— “遊び尽くした”ってなかなか言えないかもしれないです。その後は、どうされていたんですか?

遊ぶのはもちろん楽しかったんですけど、本当にもう遊びは、10代でやりきっちゃって(笑)
そうしたら、急に将来が不安になってしまい両親に相談したんです。「だったら大検(現:高卒認定)をとったら?」と言われて大学を目指し、東京に上京しました。それが20歳の時です。

大学進学を機に東京へ上京するも、自分の興味がフラフラと…。

–ハタチで東京に。環境もガラッと変わった大学生活は、どう過ごしていましたか?

大学へ行くことが目的になっていたので、大検をとり、無事に入学したまではよかったのですが…。特に興味のある学部でもなかったので、なんとなく大学生活を過ごしてしまって。結局、就職活動もせず卒業してしまいました。

大学卒業後は、もともとファッションが好きだったこともあり、興味のあったネイルの学校へ通いました。それから、アパレル会社やアクセサリー会社など仕事を転々としていました。

–そんな生活が続く中、働き方を変えようと思ったきっかけは何だったのでしょう。

27歳になり、アパレル会社で正社員として働いていたのですが、当時は給料もそこまで高くなくサービス残業も多くて。だったら、派遣の方が時給も高いし、残業代も出るし、困った事があれば派遣会社が間に入ってくれるし、と思って派遣でオフィス系の仕事を探しはじめました。

派遣会社に登録して、何社か紹介してもらい、面接が楽しかった今の会社に決めました。

上司が震えた伝説の暑中見舞いと、失敗しても次直せばいい精神。

–入社当時を振り返って、大変だったことはありますか?

今でも覚えているのが、「取引先に送る暑中見舞いのハガキを書いて」ってお願いされたことがあって。とびっきり可愛くしようと、蜂とかチューリップとかイラストをたくさん使って派手派手の暑中見舞いのハガキをつくったんです。

意気揚々と上司に見せたら、「何が起きたの!?」とビックリさせてしまいました。ビジネスマナーも何も知らず自信満々だった自分が恥ずかしい…。私が大変っていうよりも、きっと上司の方が大変でしたね(笑) 今でも、たまに笑い話として出てきます。

他にも「Google Chrome」が読めなくて、ずっと「チョーム」って読んだり、恥ずかしい経験はたくさんしたけど、分からなかったら聞けばいいし、失敗したら次直せばいいんです。そんなマインドで働いていたら、勝手にできる事が増えていきました。

産休・育休後に復職を考えていたタイミングで、うれしい両想い。

–それから数年働いて、産休・育休に入られるんですよね。

はい。とんでもない失敗をする回数も減り、スキルも身に付いてきたなというタイミングでした。派遣だと福利厚生が正社員より劣るのかなと思っていたんですけど、全然そんなことはなくて。1年4ヶ月のお休みと産休手当・育休手当もしっかりもらえました。

–お休み後は、どのようにお仕事復帰されたのですか?

息子の保育園が決まり、そろそろ仕事を探そうかなというタイミングで、居心地が良かった今の会社を思い出し、派遣会社の担当の方に「戻りたい」と伝えました。運よく空きがあり、会社に戻ることができ、そこでうれしい報告も聞けたんです。実は、私が休んでいる間に、部長が「うちの部署にはあの人が必要だ」「戻ってきてくれないかな」って、しきりに話していたみたいなんです。まさかの両想いでした(笑)

数年前までパソコンもろくに使えなかった私が、部長から「必要だ」なんて言ってもらえるなんて、思いもしませんでした。

–それは嬉しいですね!復帰してみて、今までと変わったことやこれからの目標はありますか?

仕事復帰って”戻る”イメージだと思うんですけど、実際には、今までの仕事+家事が乗っかってくるので、もとに戻るってよりもさらに1個増える感覚が近いかもしれません。

そう考えると、17時半でピッタリあがれて、息子のお迎えにも間に合うので、派遣でよかったなって。家庭と両立できる仕事ができていれば、雇用形態は気にしなくていいかもと思うようになりました。

若い頃の自分だったら、絶対に言わないと思うんですけど、今はこのおだやかな生活をずっと続けていけたらいいなと思っています。